20151223時点の米国株の考察

 

FRBの利上げ後に、米国株、US$とも小幅に落ち込んでいる。今後の米国株の見通しと取引方針を確認しておきたい。

まず20151016時点の見通しの反省から。

決算発表の内容は順調であり、それに伴い株価も戻してきた。中国経済減速の影響は軽微だったということだ。ただ、FRBも影響度の見極めが困難だということで利上げを様子見しており、事前に判断するのは困難だったと言えるだろう。

予想外の状況として、原油安・資源安が着目されている。原油はシェール革命による供給増もあるが、資源安は中国の需要減退が大きいと言われている。原油安・資源安は経済の好材料である。中国経済減速が米国や非資源国の経済にとって有利である可能性すら考えられる。前回考察した政治的要因である米中冷戦だが、むしろ株価に好影響となる場合もあり得る訳だ。

それでは今回の考察をはじめよう。長期的に米国経済、世界経済が成長していき、米国株が成長を取り込めることは異論がないだろう。問題は、短中期的に割高な水準にあるかどうかだ。

竹中正治教授の論考にあるように、利上げ局面に転換する前後で5-10%程度の株価下落と中期的な株価の伸びが、歴史的な経験であった。利上げは、借入による消費と投資にブレーキをかけ、また割引率の上昇を通じて株価の現在価値下落をもたらし、債券や現金へのポートフォリオシフトを促す。実際の株価を見てみると、今年の株価は行って来いで動かず、決算が好調だったためPE Rasio は若干の低下を見ており何の問題もない。資源安により経済が加速するという材料も出てきた。FRBの利上げによる割引率上昇の影響も、ドル建で資金調達している場合はともかく、円で調達している我々日本人には関係ないはずだ。もちろん円キャリーとなるので、ドル売ヘッジは必須だが。

ドル高は当然ながら米国株へのマイナス要因だが、いざとなれば利下げすれば済む話。そもそも雇用は絶好調だ。

 以上の観点をもって、SP500の持高を現在の総資産の40%から80%まで、半年程度かけて段階的に高めたいと思う。急落した場合は、残り20%および給与からの貯蓄分、足りなければ信用2階建てでナンピンする予定だ。