2015年10月16日 米国株の見通し

Q3決算が出始めている。先日のチャイナ・ショックは中国バブルの危険性の認識が行き渡った結果だったが、具体的な決算実績はどうなるか注目される。

eワラントの土居雅紹氏は、インテリトラップと呼んで、業績に株価が1年程度先行するタイムラグと、実態の業績と決算発表が約1ヶ月半遅行するという2つのタイムラグについて注意喚起している。

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業績発表のタイムラグがどうなるかは決算発表で明らかになってくるだろうが、株価と業績のタイムラグの投資方針への反映は、株価が持ち直しているので判断が難しい。中国経済は外貨準備高や経済・株価の弥縫策で数年は持ちこたえるであろうが、その後での崩落をモニタリングするしかない。

VIXは現在15.05、ここ2,3週の上げ相場で大分落ち着いている。アメリカ経済は好調だろうが、US株はグローバル企業が多く、ドル高と海外業績悪化で収益が懸念される。私の勤務先もAPACリージョンは経費削減を言われているのが実態。APAC状況の業績、株価への影響度がわからないので、ここはキャッシュポジションとして見極めたい。

最後に政治の観点から検討したい。北野幸伯氏は、AIIB以降米中は戦争状態に入り、中国の経済が悪化している実態を情報戦として拡散するだろうと予言し、その通りの状況となっている。VW不正問題発覚も、中国で最大規模であり友好関係にあるVW、ドイツ経済への経済戦の一環と思われる。次も近いうちに中国関連で何か出てくるだろう。やはりキャッシュポジションが安全ということになる。

こうして見ると、ベンチマークからの乖離に乗じて安全に儲けるという投資方針から判断しても、現時点ではキャッシュ1択ということになるだろう。