三浦展 下流同盟

三浦展第二弾。

 ウォルマートが進出すると、家族経営の店が潰され、街は雇用の場を失い、不動産税の税収が減り、地元の新聞は広告料が減り、ウォルマートのスーパーセンターの売上はウォルマートの地元アーカンソー州にいってしまい地元には残らない・・・

 オーナーが地元に無いチェーンストア、あるいは多国籍企業全体に当てはまる問題。利益を地元に還流させない外部性は意識して対策していくことが課題であろう。

パリには全長にして1600kmの道路があるが、そのうち250kmにおよぶ街路で1階にオフィスや住宅が入るのを禁止している。この250kmのうち19kmの1階はかならず商業か手工業としなければならない。また、21kmは手工業保護が課される街路で、1階の既存手工業計床は手工業床系床以外へのものへ転用できず、商業系床は商業系床か手工業系床以外に転用できない。服飾や工芸などの職人に加え、肉屋や魚屋、チーズ屋も職人とみなされている。

アーティストのアトリエや商店が集まってくる街は価値が維持されるだろう。逆にシャッターを閉じた商店が増え、マンションに切り替わってる街は衰退傾向であり危険サインとして考えていいだろう。